2006年06月09日

 新緑の頃・続き 3

 (5月22日、記す)

 5月7日、再び祖母の病院を訪問する。

 祖母は手を固定されていた。治療器具を取ろうとするからだと言う。
 どうすることがよいのか、どうすることが祖母のためなのか・・・全くわからなくなり、さらに動揺する。話しをしたそうにしているのなら、そうさせてあげるのがいいのか、そのことが命を縮めてしまうことで、してはいけないことなのか、したいことをさせてあげずに生きていて欲しいと願うべきなのか・・・。
 声をかけることがかえって祖母を苦しめてしまうのかもしれないと、声にならない声で伝えるしかなかった。「おばあちゃん、ゆきだよ」と。
 誰かを応援するとき私は「がんばって」という言葉を意識して使わないようにしている。がんばっているだろう人にそれ以上のがんばってを言えないからだ。それでも会話では、思わず口をついて出てしまうことがある。けれど祖母の様子を見て、この「がんばる」という言葉が何と酷なのだろうと、そのときは思わずにはいられなかった。限界のところでがんばっている人に、この言葉は絶対に使えない。がんばってという言葉だけじゃない、どんな言葉も出てこなくなる。ただ、見ていることしかできない・・・。
 今日が最後になるかもしれないとどこかで思い、そんなことはない、まだまだ先と打ち消す、その繰り返しをしながら、どうしようもなく涙がこぼれた。
 
 ・・・この日が生前の祖母と会った最後の日となった。
posted by yuki at 12:03| Comment(0) | TrackBack(0) | My Personal Diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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